― クロモリ、ステンレス、チタン。それぞれの個性があなたの走りを引き出す。
MULLERには、金属バイクしかありません。
なぜって?
金属には「寿命がほとんど無い」から。
だから、使用寿命があるアルミは、あえて使いません。
(個人的には好きなんですけどね、アルミバイクも。笑)
MULLERでいう「クロモリ」は、実はほとんどがマンガンモリブデン鋼。
イギリス・レイノルズ社の853や725というパイプを使用しています。
9本すべてをレイノルズで構成すると、もう何もしなくても速いバイクが出来上がる。
コストは上がるけれど、気づけばいつも、速さ優先で選んでしまっています。
マンガンモリブデン鋼は、クロモリ(クロームモリブデン鋼)よりも剛性が高くて、薄く作れるぶん軽い。
そして、自転車は全体で“引っ張り合って”走る乗り物。
この素材は引っ張り強度が高いから、バネ感が増して前へ前へと進みたくなる。
「私、こんなに上手だったっけ?」って思える走りになるのは、魔法じゃなくて、あなたの力が素直に活かされているだけなんです。
…そう、あなたは本当に速いんです。
その“速さ”を、さらに高性能に引き上げたのが、ステンレス。
ステンレスは剛性・引っ張り強度が高いだけでなく、路面追従性が驚くほど高い。
リアタイヤがバタつくことも少なく、ペダルを踏んだ力の「ほぼ全部」が前進力になります。
後ろから誰かに押されているかのように、スムーズで気持ちのいい走りをするんです。
では、チタンは?
チタンは…まったく別の乗り物。
ステンレスともマンガンモリブデン鋼とも違う、独自の世界。
たとえるなら、スポーツカーが加速したとき、グッと沈み込んで地面を這うように走り出す、あの感覚。
6AL4Vチタンの走りは、まさにそれ。
カーボンに勝つために開発されたこの素材は、圧倒的な次元の違いを感じさせてくれます。
だからこそ、MULLERの売れ筋は、今やステンレスとチタン。
一度この感覚を知ってしまうと、人は次を求めてしまうんです。
でもその「もっと」を叶えるために、私たちは今日も試行錯誤しています。
開発の時間も、ものづくりの一部としてとても楽しいのです。
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