ステンレスバイクに乗っている人って、まだ少ないと思います。
それはたぶん、そもそも「ステンレスでできた自転車がある」って知られていないからかもしれません。
でも実は、ステンレスってとても魅力的な素材なんです。
まず、チタンと同じように「塗装しなくても錆びにくい」。
だから、金属そのものの美しさを活かした仕上げができます。
実際、ステンレスのバイクを見て「それ、チタンですか?」ってよく聞かれるんですって。
見比べてみると、チタンは“人肌っぽいシルバー”、ステンレスは“青みがかったシルバー”。
光の加減でわかる、その繊細な違いがまた美しい。
ただ、創る側としてはちょっと大変。
溶接が難しくて、自転車の素材としてはやや“通好み”な存在かもしれません。
でもね、この素材。
見た目だけじゃなくて、走りがとにかくすごいんです。
何がすごいかというと…
ひとことで言うと「背中を押されてる感じ」。
えっ?って思いますよね(笑)
これは、ステンレスの振動吸収性と路面追従性の高さによるもの。
つまり、自分がペダルを踏んだ力が、ロスなく“そのまま前に進む力”に変わってくれるんです。
「え、私ってこんなに速かったっけ?」って錯覚するくらい。
でも、それは錯覚じゃなくて、あなたの力がきちんと伝わっている証拠なんですよ。
チタンとの大きな違いは、「粘り」。
ステンレスはステンレス“鋼”なので、踏んだときに少ししなる感じがあって、
そのしなりがウィップになって、じわ〜っと跳ね返って、スーッと加速してくれるんです。
しかも、カーボンバイクと違って、こぎ続けなくてもスピードに乗れる。
これこそが、ステンレスバイクの醍醐味だと思います。
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